1. 「B=Belief(信念)」こそが行動を決めている
私たちは「結果(C)」を変えたいと願います。
売上を上げたい、モチベーションを高めたい、人間関係を良くしたい。
しかし本当のボトルネックは「A(出来事)」でも「C(結果)」でもなく、
その間にある B(信念・解釈) です。
信念とは、“世界をどう見ているか”という心のレンズ。
同じ景色を見ても、レンズが違えばまったく違う世界に見えます。
たとえば、
- 「自分は完璧じゃないと評価されない」
- 「失敗したら信用を失う」
- 「相手が理解してくれないのは自分のせいだ」
このような信念を持っていると、
どんなポジティブな状況でも、無意識に「ダメな証拠」を探してしまいます。
信念は目に見えないですが、思考・感情・行動のすべてを支配しています。
2. 感情の暴走を止める「3つの思考ステップ」
感情を抑え込むのではなく、
「理解して流す」ための3ステップを紹介します。
① Aを正確に言語化する(事実の確認)
感情的になっているとき、人は事実を歪めて解釈します。
まず、「何が起きたか」を“客観的な出来事”として整理します。
例:
✗「上司が私を嫌っている」
→ ○「上司から指摘を受けた」
✗「お客様に拒絶された」
→ ○「提案を検討段階で保留された」
事実を正確に切り出すことで、感情の熱が下がり始めます。
② B(信念)を探る(自動思考の特定)
次に、「その出来事をどう解釈したか?」を掘り下げます。
例:
「上司に指摘された」→「私は能力がない」
「お客様に断られた」→「自分は求められていない」
この“自動的に浮かぶ思考”が、あなたのB(Belief)です。
意識的に書き出すと、「自分はいつも同じパターンで落ち込んでいる」ことに気づくはずです。
③ Bを問い直す(新しい解釈の再設計)
信念は「事実」ではなく「仮説」です。
だから、書き換えることができます。
問いの例:
- それは本当に“常に”そうなのか?
- 他の人なら、どう受け取るだろう?
- この考え方を持ち続けて、自分は得をしているか?
新しいBの設計例:
旧B:「失敗は信用を失うこと」
新B:「失敗は信頼を得るチャンス。挑戦している証拠」
この「Bの書き換え」こそが、ABC理論を行動に変える最大のポイントです。
3. ビジネス現場での応用:信念が成果を変える
クレーム対応のケース
A: お客様から厳しい指摘を受けた
B: 「怒っている=否定されている」
C: 萎縮・謝罪に終始し、改善が進まない
→ 新B: 「怒り=期待の裏返し。まだ信頼がある証拠」
→ 新C: 冷静に課題を整理し、次の提案に繋げる
チームマネジメントのケース
A: メンバーがミスをした
B: 「ミスは怠慢の結果」
C: 叱責・信頼低下
→ 新B: 「ミス=仕組みの不具合。人ではなく構造を見直す」
→ 新C: 再発防止策を共に考える → 信頼関係が強化
セルフマネジメントのケース
A: 目標に届かなかった
B: 「努力が足りなかった」
C: 自己否定 → 意欲低下
→ 新B: 「仮説検証の途中。まだ結果を測る段階にない」
→ 新C: 再トライのエネルギーが生まれる
4. 「信念(Belief)」を書き換える技術
信念を変えるには、根性ではなく 再定義(Reframe) が必要です。
例:
- 「人に頼るのは迷惑」→「人に頼ることは信頼の証」
- 「完璧でなければダメ」→「未完成だから伸びしろがある」
- 「お金を稼ぐのは汚い」→「価値を届けた対価としての循環」
これは「言葉遊び」ではなく、
自分の脳に新しい“思考パターン”をインストールする行為です。
書き換えの3ステップ
- 自動反応の思考を書き出す
- その思考が自分を狭めていないか検証する
- 未来が広がる別の言葉に置き換える
「考え方の選択肢」を増やすことが、
感情の自由度を広げることに直結します。
5. 実践ワーク:自分のABCを可視化する
実際に、今のあなたの「思考パターン」を書き出してみましょう。
| フレーム | 内容 |
|---|---|
| A(出来事) | 最近モヤっとした出来事を1つ書く |
| B(信念・解釈) | そのとき「私は〜だから」と思ったこと |
| C(結果) | 感じた感情・取った行動 |
| 新B(書き換え) | もし違う解釈をしたら、どんな感情・行動になるか? |
このワークを週1回でも行うだけで、
あなたの思考の「再現性」が劇的に上がります。
6. ABC理論が導く“静かな強さ”
ABC理論のゴールは、「ポジティブになること」ではありません。
感情を無理に変えることでもありません。
目的は、
「自分の思考を理解し、感情を選べるようになること」。
その状態こそが、ブレない強さ。
静かに、しかし確実に成果を出す人の共通点です。
まとめ:思考を変えることは、未来を設計すること
出来事を変えることはできない。
でも、出来事の“意味”を変えることはできる。
そしてその意味が、感情を変え、行動を変え、
やがて人生の軌道そのものを変えていきます。
思考を整えるとは、未来を設計すること。
あなたの中の「Belief」を見つめ直すことから、
新しい成果が静かに始まります。